ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1111

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と四十二

「ムカナイ ヒト」

 「ヨムヒト(読む人)問題」は、そっくりそのまま「基礎工事いい加減問題」だと、先ほど結論付けさせてもらったが、政治を司る、重き責任を担った人たちが、その人自身のその根幹の部分の土台づくりである基礎工事を怠ってしまったコトは、やはり、どう考えても致命的だ。

 ナゼか、そんなふうに、再び、「ヨムヒト問題」についてボンヤリとアレコレ思ったりしていると、Aくんも、「先ほどの『読む人』なんだけどさ~」と語り出したものだから、またまた、ちょっと、面喰らってしまう。

 「政治家としての、いや、人としての、その基礎工事を、トンでもなくいい加減にしてきたような政治家に限って、ヤタラと『自分の手柄だ』と自慢もするし、『アイツたちがダメだから』と人のせいにもする」

 あ~、ソレ、ある、あると思う。

 「そんな、無遠慮な自慢と無責任な責任転嫁とが合体してしまったような人、申し訳ないが、そういう人は、本来、政治家には向かないはずだろ」

 読む人、ならぬ、向かない人、か~。

 たしかに、向かない。いや、是非、向かわないでほしい。

 ん?、で、でも・・・。

 「向かない。向かわないでほしい。と、マジで思いますが、でも、政治家って、ヤヤもすると、そんな感じの人になってしまいがちですよね」

 「その通り。選挙で勝たないといけないから、どうしても、いいコト、都合のいいコト、ばかりを、挙げ連ねてしまう。仕方がないと言えば仕方がないコトなのかもしれないが」

 仕方がない、か~。

 い、いや、ダメだ。百歩譲って、選挙戦術としての自慢話なら、まだ、ギリギリ許されるのかもしれないけれど、政治家になってからの無遠慮な自慢と無責任な責任転嫁は絶対にいただけない。むしろ、「皆さんのおかげです。ありがとうございます」、「全て、私の力不足です。申し訳ありません」、と、口先だけでなく心の底から言えるような、そんな人に、私は、清き一票を投じたい。

 でも、そんな人、そう簡単には出会えそうにないかな。

(つづく)