はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と四十一
「オイタ シンセイ ノ イジ」
「巨星が去り、新星が現れる。どの世界もその繰り返し。ソレこそがダイナミズム。言い換えれば、ソレが滞ってしまった世界に未来はない、ということだ」
ん~。
以前からAくんは、この手の話になると、ソコに自分自身を投影してしまうのか、どうしても、「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」みたいな感じになりがちだ。
「巨星が、新星に、『まだまだ早いんだよ、若造』と、出る杭を打つ。そういう面を見せるコトも、一つのダイナミズムだと思いますが」、と私。
「巨星は巨星として巨星なりの意地を見せろ、と、いうことかい」
「巨星の意地を新星のヤングパワーが受けて立つ。コレぐらい熱量の高い世代交代でなければ、ダイナミズムは生まれない、と、思います」
「いいコト言ってくれるね~。嬉しいよ。ま、僕の場合は、ぜんぜん巨星じゃないから。新星のつもりで、老いた新星の意地を見せてやる、か、な」
老いた新星、か~。
なんか、いい響きだ。
メンツもプライドもありまくる巨星は、あとは、もう、去るしかないのだろうけれど、新星は、そんな厄介なモノはナニもないわけだから、仰々しく「去る」などというコトを考える必要もない。
そう、老いた新星の意地。
その素っぴんの意地を、見せる!、見せたる!
実に、いい響き、いい感じだ。
(つづく)
追記
実に久々に、ウィンブルドンに見入ってしまう。
男子、シングルス、決勝。
まさに、巨星 vs. 新星。
落ち着いた新星に、ちょっとヤンチャな巨星、と、いう構図が、なんとも面白い。
ヤンチャな巨星、も、また、いい響きだ。