ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1110

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と四十一

「オイタ シンセイ ノ イジ」

 「巨星が去り、新星が現れる。どの世界もその繰り返し。ソレこそがダイナミズム。言い換えれば、ソレが滞ってしまった世界に未来はない、ということだ」

 ん~。

 以前からAくんは、この手の話になると、ソコに自分自身を投影してしまうのか、どうしても、「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」みたいな感じになりがちだ。

 「巨星が、新星に、『まだまだ早いんだよ、若造』と、出る杭を打つ。そういう面を見せるコトも、一つのダイナミズムだと思いますが」、と私。

 「巨星は巨星として巨星なりの意地を見せろ、と、いうことかい」

 「巨星の意地を新星のヤングパワーが受けて立つ。コレぐらい熱量の高い世代交代でなければ、ダイナミズムは生まれない、と、思います」

 「いいコト言ってくれるね~。嬉しいよ。ま、僕の場合は、ぜんぜん巨星じゃないから。新星のつもりで、老いた新星の意地を見せてやる、か、な」

 老いた新星、か~。

 なんか、いい響きだ。

 メンツもプライドもありまくる巨星は、あとは、もう、去るしかないのだろうけれど、新星は、そんな厄介なモノはナニもないわけだから、仰々しく「去る」などというコトを考える必要もない。

 そう、老いた新星の意地。

 その素っぴんの意地を、見せる!、見せたる!

 実に、いい響き、いい感じだ。

(つづく)

 

 

 

 

追記

 実に久々に、ウィンブルドンに見入ってしまう。

 男子、シングルス、決勝。

 まさに、巨星 vs. 新星。

 落ち着いた新星に、ちょっとヤンチャな巨星、と、いう構図が、なんとも面白い。

 ヤンチャな巨星、も、また、いい響きだ。