はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と三十二
「ケツゼイドロボウ ト ケツゼイクイムシ」
己の給料は血税なんだぜ、ってコトを、忘れがち、どころか、ハナからソンなコト、思ったことも考えたこともないのだろうな、と、語り始めたAくん。おそらく、己の給料が血税である「あの人たち」のコトを言っているのだろう。
「そんな感じなものだから、どうしても、ダレのための、ナンのための、政治なのか、が、いつだって、お門(カド)違いの筋違い、な、わけだ」
お門違い、の、筋違い、か~。
ん~・・・、悲しいかな、世の中、結構この「筋違い」でマミれまくっているような気はする。
「だから、シッカリと見なければならない方を見ずに、利権やら、損得やら、に、絡みまくったダークサイドにばかり、どうしても目がいってしまう」
ん、ん~・・・なるほど、なるほどな。
もちろん、皆が皆、とまでは思わない。心ある優秀な方々も必ずおられるはずだ。だが、圧倒的な権力を握る「あの人たち」のトンでもない言動の数々を目に耳にするにつけ、Aくんのその指摘、お門も筋も違っているとは、思えない。
「ついでに、あえて言わせてもらうが、見なければならない方を見れない圧倒的な権力に、同じような気持ちで、姿勢で、擦り寄る、擦り寄ることしかできない、いわゆる上級公務員たちもまた、やっぱり、どの角度からどう見ても、『血税泥棒』だろ、違うかい」
違わない。
「しかもだ。血税の重みを全くもって理解できない。だけに、なんと無駄遣いの多いことか。血税を、一円たりとも無駄にしない、という意識が、完全に欠落している。そうは思わないかい」
思わなく、ない。どころか、思う、メチャクチャ、思う、思いまくる。
「しがない一般ピーポーたちが、苦しい生活の中から搾り出し、どうにかこうにか納めた血税も、血も涙も思慮深さもない血税泥棒と血税喰い虫たちによって、無慈悲に、無遠慮に、ワケのわからない使われ方をして、いとも簡単に喰い尽くされてしまいそうだな」
(つづく)