ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1100

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と三十一

「ヒューマンエラーマン タダイマ サンジョー!」

 このところ、姑息なダークヒーローたちの巣窟でもある、あの、アホがアホ呼ぶアホアホワールドで、妙に脚光を浴びつつあるニューヒーローがいるという。

 ソレが、ヒューマンエラーマン。

 このヒューマンエラーマン、ヒューマンエラーまみれのニュータイプのヒーロー。と、いうわけではなくて、あらゆるトラブルの原因を、ナニがナンでも個人のヒューマンエラーであると言い切るコトに命を懸ける、責任転嫁の達人、自己防衛の申し子、なので、ある。

 そう、ソレこそが、ヒューマンエラーマン。

 たとえば、シモジモじゃないエライ人たちが新しく導入しようとしているシステムがあるとしよう。しかしながら、ナゼか一般ピーポーたちをも巻き込むトラブルが、次々と起こってしまう。普通、コレほど頻繁に起こってしまうと、そのシステム自体に問題があると考えるのが常道なのだが、さすが、ヒューマンエラーマン、いつだってその原因を、単なる、末端で働く個人のヒューマンエラーにすぎない、と、断罪するわけだ。

 仮に、ココまで多額のカネ(金)を投じて推し進めてきたそのシステムであったとしても、今一度、一旦ソコで立ち止まり、ジックリと腰を据えて徹底的に見直してみる。場合によっては撤退するコトさえ辞さない。という大いなる勇気を、残念ながら、全くもって持ち合わせてはいないのだろう。

 だから、末端のせいにする。

 だから、個人のせいにする。

 だから、個人のヒューマンエラーのせいにする。

 そして、その場しのぎの逃げ切りを図る。

 そんなダークなニューヒーロー、ソレが噂のヒューマンエラーマン、只今、参上!

(つづく)