はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と三
「ジムテキナ ミスデ」
誰かが試しに使ってみたらナゼだか上手くいった、使ったことでドウにかコウにか逃げき切れた、というコトで、一気に人気の常套(ジョウトウ)手段になる。みたいな、そんなコトが、結構、あったりする。言っておくが、ほとんどの場合、この種の手段、ジョウトウ(常套)という割には、全くもって「ジョウトウ(上等)」ではない。と、またまた前頭葉の老化チックに御冠(オカンムリ)、の、Aくん。
たしかに、上等ではない常套手段のニューフェイスたちが、とくに権力者周辺で、次から次へと産声を上げていて、数え出したらキリがない、と、この私も、痛切に思う。それゆえ、Aくんのその御冠、ソレなりに理解はできる。
たとえば、仮に、この人たちのこの常套手段を、学校で子どもたちまでもが使い出したとしたらどうだろう。反省もせず謝罪もせず、上等ではない常套手段でケムに巻いて逃げ切りを図る。みたいなコトを、悪びれる様子もなく、胸を張って堂々と、し始めるのである。想像しただけでも、充分に、空恐ろしくなる。
あっ。
ひょっとしたら、ナニかの弾みで人生の歩み方を勘違いしてしまった、そんな子どもたちが、不幸にも、今、あんな権力者になっている、のかもしれない。
なるほど。
そう考えると、理解しにくいアレやらコレやらも、ソレなりに理解できそうな気はする。
そうか、そうだったのか~。
などと、好き勝手に、自分なりに考えてみたりしていると、Aくん、「そんな上等ではない常套手段の中で、このところ、脚光を浴びているのが、コレだ」、と、強引に割り込んでくる。
コレだ、って、ドレだ?、と、秒速で、一応、心の中でツッコミを入れさせてもらう。
「事務的なミスで」
じ、事務的な、ミ、ミスで?
あっ、あ~、ある、ソレ、聞いたことが、ある。
「捏造も、偽装も、隠蔽も、発覚してしまった時は、コレ、事務的なミスで。で、逃げ切りを図る」
事務的なミスで、か~。
「以前は、部下が、秘書が、やったことなので。が、常套手段だったのだけれど、さすがにソレでは逃げ切れないと思ったのだろうな」
「それで、ソレが、一気に常套手段として脚光を浴び始めた、というわけですか」
「そう、そういうことだ」
ふ~。
よくもまあ、こんな、情けなくなるほど姑息な常套手段たちを、次から次へと考え付くものだな。(つづく)