ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1072

はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と三

「ジムテキナ ミスデ」

 誰かが試しに使ってみたらナゼだか上手くいった、使ったことでドウにかコウにか逃げき切れた、というコトで、一気に人気の常套(ジョウトウ)手段になる。みたいな、そんなコトが、結構、あったりする。言っておくが、ほとんどの場合、この種の手段、ジョウトウ(常套)という割には、全くもって「ジョウトウ(上等)」ではない。と、またまた前頭葉の老化チックに御冠(オカンムリ)、の、Aくん。

 たしかに、上等ではない常套手段のニューフェイスたちが、とくに権力者周辺で、次から次へと産声を上げていて、数え出したらキリがない、と、この私も、痛切に思う。それゆえ、Aくんのその御冠、ソレなりに理解はできる。

 たとえば、仮に、この人たちのこの常套手段を、学校で子どもたちまでもが使い出したとしたらどうだろう。反省もせず謝罪もせず、上等ではない常套手段でケムに巻いて逃げ切りを図る。みたいなコトを、悪びれる様子もなく、胸を張って堂々と、し始めるのである。想像しただけでも、充分に、空恐ろしくなる。

 あっ。

 ひょっとしたら、ナニかの弾みで人生の歩み方を勘違いしてしまった、そんな子どもたちが、不幸にも、今、あんな権力者になっている、のかもしれない。

 なるほど。

 そう考えると、理解しにくいアレやらコレやらも、ソレなりに理解できそうな気はする。

 そうか、そうだったのか~。

 などと、好き勝手に、自分なりに考えてみたりしていると、Aくん、「そんな上等ではない常套手段の中で、このところ、脚光を浴びているのが、コレだ」、と、強引に割り込んでくる。

 コレだ、って、ドレだ?、と、秒速で、一応、心の中でツッコミを入れさせてもらう。

 「事務的なミスで」

 じ、事務的な、ミ、ミスで?

 あっ、あ~、ある、ソレ、聞いたことが、ある。

 「捏造も、偽装も、隠蔽も、発覚してしまった時は、コレ、事務的なミスで。で、逃げ切りを図る」

 事務的なミスで、か~。

 「以前は、部下が、秘書が、やったことなので。が、常套手段だったのだけれど、さすがにソレでは逃げ切れないと思ったのだろうな」

 「それで、ソレが、一気に常套手段として脚光を浴び始めた、というわけですか」

 「そう、そういうことだ」

 ふ~。

 よくもまあ、こんな、情けなくなるほど姑息な常套手段たちを、次から次へと考え付くものだな。(つづく)