はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と九十一
「地球規模の、異常気象。侵略戦争。というか、異常戦争だな。ま、正常戦争なんてあり得ないわけだけど。さらに、異常物価高騰。さらにさらに、トンでもないほどの異常格差社会。とにかく、そこかしこで散見できる、こうした『異常』たちが、この星を葬り去ろうとしている、って感じだよな~」、と、絶望感を、目一杯漂わしつつ語り始めた、Aくん。さらにさらにさらに、コレだけ危機的なコトが押し寄せて来ているのに、未だに、政治と癒着して上手い具合にドウのコウの、とか、利権がドウのコウの、とか、己の選挙で応援してもらうためにはドウのコウの、とか、といった、アホ丸出しのドウやらコウやらが、恥ずかしげもなく、未だにバカみたいに堂々と大通りを闊歩しているのだからな、と、吐き捨てる。
もう、そのプロローグだけで、充分に、私なんかはAくん以上に絶望的な気持ちになる。
「そして、サプライチェーン!」
「サプライチェーン?」
「国際的な物品の製造やら流通やらナンやらカンやらをゴッソリ一括(クク)りにした総称。みたいな、そんなイメージかな」
あ、あ~。
「この星の『異常』たちによって、おそらく、近いうちに、間違いなく崩壊し始める」
え、えっ!?
「いい加減に考えてきたそのツケが、ココにきて一気に、というわけだ」
う、うわっ。
「サプライチェーンの要は、つくる力。つくれる力。そして、その環境だと思っている。ソレがあってこその流通なわけだからな」
つくる力、つくれる力、そして、その環境、か~。
たしかに近い未来、悲しいかな、崩壊してしまいそうな気が、グツグツと、グツグツとしてくる。(つづく)