ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.906

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と三十七

「ウソヲ ツケバツクホド アホニナル」

 ホントに勉強が苦手だったので、勉強が得意な友だちに、腹が立つ、というほどではないが、羨ましい、という気持ちは、かなりあったような気がする、と、己の学力コンプレックスについて細やかなるカミングアウトをしてみせる、Aくん。

 その感じ、メチャクチャ共感できる。

 私も、とにかに数学が苦手。数学の先生まで苦手。そして、理科。生物は好き。生物の先生も好き。なのだけれど、物理がダメだ。大嫌い。もちろん、物理の先生も大嫌い。オマケに、モノ覚えが悪いときている。記憶力が乏しいというか、記憶を貯蔵していくタンクが小さい。小さすぎる。しかも、環境が悪いのか、発酵ではなく腐敗する。どうにかこうにか記憶していたモノの姿形も中身も変わってしまって、仮に思い出せたとしても使いモノにならない。

 ナニやら二人して、ドスンと落ち込んでしまう。

 するとAくん、「凄く頭のいい人たちが政治家になったりしているだろ」、と。

 「ホントかな~、って、疑いたくなる時もありますけど、ちょっとした有名大学とか海外留学とか、肩書きだけは随分と立派な方々が、結構、いたりしますよね」

 「そう、頭がいい。羨ましくなるほど頭がいい。でもね、頭がいいはずなんだけれど、中には、君が疑うように、僕も、疑いたくなるような人たちってのが、いたりするわけよ。コレってナゼなんだろうな」

 申し訳ないけれど、時折、本当に疑いたくなる。

 ナゼ、この国の、この星の、未来のために、その頭の良さをフル稼働して、クールに、論理的に、そして、超長期的スパンで、今すべきコトを考えることができないのか。ナゾだ。

 「あくまで僕の勝手な推測なんだけれど」

 ん?

 「人間の脳ミソってさ、嘘をつけばつくほど『アホ』になっていくんじゃないか、って、思うんだよな」

 嘘をつけばつくほど、アホになる?

 「ひょっとしたら、嘘も方便、的な、そんな嘘もあるのかもしれないが、ドコからドウ考えても国民を、弱者を、バカにしたような罪深い嘘を、堂々とつきまくり倒してノホホンと、政治家稼業を続けておられる方々のその脳ミソだけは、残念ながら、悲しいかな、もう、かなりのダメージを受けてしまっているような気がしてならないんだよな~」

 本当は頭がいいはずなのに、ナゼか、捨て置けない大切なモノゴトを、クールに、論理的に、考えられなくなってしまっている一部の政治家たちの、その理由が、ソコにあるのではないか、というAくんのその指摘、満更(マンザラ)でもないように思える。(つづく)