ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.902

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と三十三

「オヤ~スミ~ オヤ~スミ~ ヨ~カイ~バラ~マキ~」

 とくに国政選挙みたいなのが迫ってきたりすると、突然、あの永田町あたりから、「バラマキ~バラマキ~」という怪しげな唸り声が聞こえてくるという。

 一度決めた制度とかシステムとかといったモノを、たとえば野党からの突き上げごときで元に戻すなどということには、断固として二の足を踏む。が、とりあえずのその場凌ぎの一過性バラマキに対しては、随分とハードルが低いみたいで、そうした臭いを嗅ぎ付けて、その、妖怪バラマキ~、が、大いに関与、貢献、しているようなのである。

 恐るべし、妖怪バラマキ~。

 おそらく、そんな、妖怪バラマキ~絡みの姑息な失策やら愚策やらが大手を振って罷り通ったりするものだから、「選挙」というモノが、私も含めてどうしても、一般ピーポーたちの意識から離れていきがちなのかもしれない。

 とはいえ、この、妖怪バラマキ~が唆(ソソノカ)しながら後押しするバラマキ作戦、たとえ、ショボくても、その場しのぎであったとしても、巷で、全くもって人気がない、というわけではない。戴けるモノはナンでも有り難く戴かせてもらいます、ということなのだろう。ナニかにつけて苦しい今日この頃、その気持ち、わからないわけではない。

 しかし、どの角度からどう見ても、選挙直前のバラマキは体(テイ)のいい合法的有権者買収。コレが認められるなら、圧倒的に政権側が有利なのは自明の理。フェアとは言えない。

 そんな姑息な票稼ぎではなく、もっともっと各党のトップたちが丁々発止の本気の議論を展開しつつ、一般ピーポーたちの眼前でリアルに闘うことができればいいのに、と、思う。できることなら、あの『朝まで生テレビ!』みたいな感じで、誰かがダウンするまで無制限一本勝負というのがいい。もちろん、田原総一郎氏には、今回だけは完全に聞き役に徹して頂いて、おとなしくしていてもらおう。しかも、ゴールデンタイムには全テレビ局で再放送。加えて、ユーチューブ(YouTube)ででも見ることができるようにしておこう。見た世帯には、時の権力者が大好きな、あの「ポイント還元」のオマケ付きだ。

 やりすぎのように思われるかもしれないが、コレぐらいで丁度いい、という気がしてならない。マジに真剣な議論であり討論であるからこそ、ソコから見えてくるモノが必ずあるはずだ。誰が真実を語っているのか。誰が騙そうとしているのか。誰が語る政策が、この国の、この星の、未来にとって良いのか。ソコを見極めることができない限り、Aくんには申し訳ないけれど、やっぱり、そう簡単には投票なんてできそうにない。安易な投票は、限りなく無責任のように思えてならないのである。

 トにもカクにも、少なくとも選挙が終わるまでは、おや~すみ~おや~すみ~よ~かい~ばら~まき~、と、妖怪バラマキ~には、少し離れたトコロで静かに眠っていてもらうことにしよう。(つづく)