はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と三十七
「イナイイナイバア~ ハ マナビノバ~」
見えないものが見えたその瞬間が、この上ない驚きであり感動の瞬間なんだ、とAくん。
「それが」
「それが?」
「いないいないばあ」
「えっ。い、いないいないばあ?」
「そう。いないいないばあ」
ん~・・・、たしかに、そう言われると、そんな気もしてくるから不思議だ。
両手で覆われた顔が、ばあ~、っと、突然、目の前に現れるのだから、赤ちゃんにしてみれば、この上ない驚きであり感動の瞬間なのかもしれない。
「見えないことの不安感、見えてしまうことへの恐怖心、それでも見たい、それでも知りたいという欲求、探究心。するとソコに、ばあ~、っと、突然、驚きがやってきて、あ~、っと、納得が着地する。そして、そんなソレが、ぷわ~、っと、感動に、喜びに、変わるわけだ。そうしたこの『いないないばあ』の一連の流れが、僕が考えるところの『学び』の場、そのものなんだな」、と、「いないないばあは学びの場」理論を熱く語る、Aくん。
いないないばあ、が、学びの場~、とは、かなり興味深い。
怖くても、恐れずに目を見開く。それが探究心であり「学び」であるというのなら、知ることを畏(オソ)れて、知ってしまうことを畏れて、真実から目を背けようとしている全てのピーポーたちに、心を込めて、この言葉をプレゼントするとしよう。
「いないないばあ~」
(つづく)