ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.798

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と二十九

「スコブルワルイイミデ トモダチヲタイセツニスル」

 そんなAくんの熱き「会議」論に耳を傾けているうちに、なんとなくながらわかったことは、その構成メンバーが、ベチャベチャッとした関係性の中で気持ち悪く成り立っているような会議ではなく、一人ひとりがドライにシャンと独立しているような会議でないとダメなんだ、ということ。そして、目一杯、バラエティに富んだ感性が、知性が、ダレにも、ナニにも、臆することなく交差しまくっているような会議でなければ、ソコに未来などあり得るはずがない、ということである。

 そんなことを、私なりに納得しつつ思ったりしていると、Aくん、ポロリとこう呟く。

 「すこぶる悪い意味で、友だちを大切にする」

 ん?

 普通は、「いい意味」系に属する「友だちを大切にする」を、その位置から一気に引き摺り下ろすがごとくの「すこぶる悪い意味で」のその意味が、気になって気になって、おもわず、少々荒っぽくこう問うてみる。

 「すこぶる悪い意味での友だちを大切にする、とは、いったい、どんな具合に大切にする、友だち、なんですか」

 そう問うている私自身、ナニを、問おうとしているのか、ほとんど意味不明で、「ナニ、それ」などと、絶対に突っ込まれると覚悟していたのだけれど、それでもAくんは、表情ひとつ変えずにユルリとこう返してみせる。

 「自分にとって使えない友だちは、切って切って切りまくるが、それなりに使える友だちは、その、骨の髄まで吸って吸って吸いまくる。そして、もちろん、そのご褒美として、やれるだけのコトは、やらせてもらいます~、悪いようにはしませんぜ~、みたいな、そんなコトなんだろうな、きっと」

 そんな、ご褒美系のコトなど別にどうでもいいようなものなのだけれど、たとえば、あんな人が、あんな出世を遂げてしまうんだ~、とか、あんないい加減な答弁をしていたあの人が、あんなトコロに天下りするんだ~、というようなコトは、たしかに、結構、そこかしこで見掛けたりはする。

 ナンともカンともな話だけれど、そういうコトなのだろう、すこぶる悪い意味で友だちを大切にする、ということは。そして、それこそが、ベチャベチャッとした関係性というヤツそのものなのだろう。(つづく)