ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.596

はしご酒(Aくんのアトリエ) その三十七

「アルトキ~、ナイトキ~」①

 関西に、豚まんの老舗は数あれど、「豚まんが、あるとき~、ないとき~」などと、テレビCMまで打って、その知名度も会社規模も群を抜いている(ように思われる)、そんな豚まん屋さんがある、という。なぜか東京などでは販売されていないらしく、とくに関東方面あたりから来られたお客人たちが、ソコのビニール袋をぶら下げて、足早に新幹線に駆け込む姿を、多くの方が目撃している、とも聞く。さぞかし、帰りの新幹線の車内は、豚まんのいい匂いで充満しているのだろうな、などと想像したりする。

 ただし、ナゼか、その、画期的で斬新なテレビCM、「あるとき~、ないとき~」、に対して、私は、失礼ながら、ナニか知らん、ナニかがスコンと抜け落ちているような、そんな気がして、それ以来ずっとナニかが引っ掛かったままでいるのである。

 はて、そのテレビCMのドコにナニが引っ掛かってしまっているというのか。

 またまた迷宮に迷い込み、ズブズブッとそのまま、地中深くまで沈んでいってしまいそうになる。(つづく)