はしご酒(Aくんのアトリエ) その三十六
「アクマガキタリテ デンワヲカケル」②
するとAくん、ナニやら名案を思い付いたのか、目を2割増しほどに見開いて、ユルリと語り始める。
「受話器に向かって、極悪な誰かが、極悪な犯罪への加担を強要し始めたら、正義の抵抗の意思表示として、証として、受話器が、電話機が、ドッカ~ンと自爆の道を選ぶ、というのはどうだろう」
あまりにAくんが、自信満々に語るものだから、異議申し立てるのに、少々、躊躇したものの、「いくらナンでも自爆はダメでしょ」、と、思い切って言及させて頂く。
「ダメか~、ん~、・・・ダメだな、たしかに、ダメだ」
「ただし、電話が、自らナニかしらの行動を起こす、という発想自体は、素晴らしいと思います。たとえば、いま流行りのAI(エーアイ)を受話器に、電話機に、搭載して、強要しようとする極悪な愚か者に対して、およしなさい、と、長々と、長々と説教し始める、というのはどうでしょう」
「長々と、長々とお説教か~、ん~、・・・イイね、イイよ、それ。しかも、技術的にも可能だと思う」
あまり、AIには、いい印象をもっていない私だが、AIを搭載することによって、電話機に説教機能をもたすことができるのならば、それはそれでいいかも、などと、かなりいい加減なことを、実は、かなりマジに、思ったりしている。(つづく)