はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と八
「トクメイデ ジツメイデ ナザシデ」
根拠なき、心ない誹謗中傷。
それが、ネットで、匿名で、実名の名指しで、となると、もうその極悪度は相当なものである。にもかかわらず、世間の目は、なぜか妙に冷ややかで、あるいは寛容で、場合によってはソレを、面白がったりもする。
そんな、屈折した風潮に便乗するかのようにして、この国の権力を握るシモジモじゃないエライ人たちも、おいそれとは本腰を入れようとしない。
それどころか、挙げ句の果てには、憲法に抵触する恐れがある。などと宣う。
なぜだろう。
おそらく、言論の自由、表現の自由、といった、守られるべき国民の権利が、ソコに本腰を入れることの足枷(アシカセ)となっている、とでも言いたいのだろうけれど、ドコからドウ見ても、考えても、詭弁、ソレ以外のナニものでもないように思える。
「チャンス到来、ってヤツだろ」
突然、割り込むAくん。
ん?
「そうしたコトに本腰を入れやすくするためにも、憲法改正は必要、ってトコロに、どうしても繋げたい」
わっ、そうくるか。
「そもそも、ネットの誹謗中傷なんて、どうでもいいわけよ」
えっ?
「あれほどの拡大解釈のプロたちだ。本気を出せば、いや、本気を出す気さえあれば、仮に憲法が足枷となっていたとしても、チャチャッと拡大解釈でもナンでもして、憲法に抵触などしておりません、と、ネット内に蠢く誹謗中傷たちに対して、ササッと本腰を入れられるはずだろ、そうは思わないかい」
思います、思いますとも。
国だけでなく、そうしたネットなるモノを運営する側も、多くの弱き者たちが、最悪の場合、死、さえも考えてしまうほど辛い思いをしているという現状が、そのまま放置されているだけに、一刻も早く、チャチャッと、ササッと、本気で本腰を入れてもらいたい、と、心の底から思う。(つづく)