ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.538

はしご酒(4軒目) その百と百と七十九

「フェイク ナ カミカクシ!」

 大昔、この国では、ある日、ある時、忽然と、子どもたちが消える「神隠し」なるものがあったという。現代では、神が子どもたちを隠した、などと考える人は、ほとんどいないわけで、ナンらかの事件に巻き込まれた、ということになるのだろうけれど。

 しかしながらAくんは、この現代社会にも、本来の神とは全く別仕立ての怪しげな神による「神隠し」があるのでは、と、訝(イブカ)る。

 「現代社会に降臨したフェイクな神が、誘拐犯みたいなことをしでかしている、ということですか」、と私。

 「う~ん・・・、誘拐犯ではないな。ニュアンスとしては、社会的抹殺に近い」、とAくん。

 「社会的抹殺、ですか」

 「そう、社会的抹殺。さりげなく、人知れず、不都合な存在を排除する」

 なるほど。

 フェイクな神の神隠し、の、その正体は、つまり、社会的抹殺仕事人、だということか。

 たとえば、TVを見ていて、この頃、あの人、見なくなったな~、などと思ったりすることがある。ひょっとしたら、ソレもまた、社会的抹殺仕事人による「神隠し」なのかもしれない。(つづく)