ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.537

はしご酒(4軒目) その百と百と七十八

「ワールドワイド ナ ココダケノ ハナシ」

 仕事帰りにチョイと一杯ひっかけて、ヤレ、上司にムカつく、やら、ヤレ、あのタレント、この頃ナニサマ!?、やら、ヤレ、国の愚策に、バカじゃないの、やら、と、言いたい放題に花が咲く、という、一般ピーポーの、細やかなる憂さ晴らし、に、それほどの罪があるとは思えない。のだけれど、そんな限りなく無責任な「ココだけの話」が、限りなく無責任にワールドワイドな広がりを見せてしまうところに、ネット社会が潜在的にもっている罪の深さがあるのだろう。

 考えれば考えるほど、そんな気がしてくる。

 「いわゆる、ネット社会のような世界、特有の、ワールドワイドなココだけの話、って、かなり罪深いと思うのですが」、と私。

 「ほ~、ワールドワイドなココだけの話ね~、なるほど~ウンウン・・・。その責任のもたなさ具合からして、どこからどう見てもココだけの話どまりのものであるにもかかわらず、そのノリのまま世界に拡散せしめようとする、その、大それたいい加減さが、ワールドワイドなココだけの話、であるのなら、たしかに、かなり罪深いな」、とAくん。

 もちろん、無責任で、大それていて、いい加減、ではない、ココだけの話、というものもあるのだろうけれど、残念ながら、そう簡単にはお目にかかれそうにない。

 このワールドワイドなココだけの話、今日も今日とて、いろいろとお疲れ気味のこの星のそこかしこで、無責任で大それた、目一杯いい加減な嵐を、巻き起こしているのだろうか。(つづく)