はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と八十七
「スケサン カクサン」②
「水戸黄門の助さんも格さんも、スカッと爽やかな時代劇ヒーローなのだが、一方、例の、あの、アホがアホ呼ぶアホアホワールドに棲息するスケさんとカクさんは、というと、如何せん、どうにもこうにもいただけない」
そちら側の二人は、かなりの怪しさまみれの、そんな助さんと格さんであるようだ。
「この二人、それぞれが必殺の得意技をもっているのだけれど、コレが、いただけないんだな」
その、いただけない、必殺の得意技、とは、いったい。
「スケさんは、生け贄(ニエ)落とし、とも言われている、スケープゴート式バックブリーカー。で、カクさんは、呪いの拡散ボンバー」
「ス、スケ、スケープゴート、と、カ、カク、カクサン、ですか」
「そう。火の粉が自分の方に降り掛かってこないように、と、姑息な手段で訝(イブカ)しみやら怒りやらのその矛先を他者に向ける、という、オキテ破りの投げ技が、その、スケさんの、スケープゴート式バックブリーカー。そして、デマやらフェイクやらナンやらカンやらを駆使して、誰かにとって都合の悪いこと、あるいは、自分にとって都合のいいことを拡散しまくるという、手当たり次第の打撃技が、その、カクさんの、呪いの拡散ボンバー、というわけだ」
ふと、「貶(オトシ)める」というワードが、頭に浮かぶ。
他者を貶めるコトに絶大な威力を発揮する、この二つの必殺技に、空恐ろしいモノを感じずにはいられない。
突然、「ら」抜きで、思いっ切り歌ってみたくなる。
もちろん、心の中で。
♪じ~んせ、い、く~あ、りゃ、く~も、あ、る、さ~
(つづく)