ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.504

はしご酒(4軒目) その百と百と四十五

「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」④

 世界中で目撃された空飛ぶ円盤のデータの徹底分析。

 各地で発見された空飛ぶ円盤の着陸の痕跡を巡る旅行記

 まさかとは思うが、宇宙人との交遊記。

 如何せん、思い付くドレもコレもが怪しさまみれである。

 「その友だちって、小学生ですよね」

 「夏休みの自由研究だからな~、たしか小学4年生ぐらいだった、かと」

 「となると、まさかの、宇宙人との交遊記、ですか」

 一瞬、オッ、という表情に見えたような気がしたのだけれど、やはり、想定内の大ハズレ。ユルリとAくん、その正解を発表する。

 「近くの社宅のビルの屋上から、毎夜毎夜、夏休み中ずっと、夜空を見上げて、謎の円盤UFOチェック。絵日記帳にスケッチしているわけよ、夜空のスケッチを、ね」

 「夜空のスケッチを、ですか」

 「そう。どこからどう見ても、夏の夜空の星座観察にしか見えない、それぐらい、どのページも、ほとんど同じ夜空のスケッチ。でもね、ところがどっこい、正真正銘、魂のUFO観察絵日記なんだな~。どうだい、衝撃的だろ」 

 たしかに、衝撃的だ。

 その感性、その探求心、その研究心、そのまま摘み取られることも萎むこともなく、スクスクと伸びやかに、Aくんのその友だちは、大人の階段を上っていったのだろうか。そうであってほしいものだ、と、心から思う。

 「コレなんだよな~。頭カチコチの大人なんかでは、到底、足元にも及ばない、未来に続く、未来に繋がる、そんな、子どもたちの凄み、は、まさに、コレなんだ」

 この店の室温が、何℃か上昇したのでは、と、思ってしまうほど、熱き語りのAくんなのである。(つづく)