ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.502

はしご酒(4軒目) その百と百と四十三

「コドモタチ ハ コノホシ ノ ミライ」②

 そう、ズズズズズンッと重く憤るAくん、気持ちを切り替えるためだろうか、おもむろに、お猪口に残る酒をキュッと呑み干す。

 そして、気分一新、グググググッと前向きに語り始めるのである。

 「これを機に、そんな、頼りない大人たちは、そのあたりに捨て置くことにして、この星の子どもたちには、どこまでも貪欲な探求心と研究心とで、成果やら結果やら評価やらなんぞクソ喰らえとばかりに、好き勝手にガンガンと学んでもらいたい。ナニゴトにも囚(トラ)われず、好き勝手にガンガンと学ぼうとする、その姿勢こそが、ナニモノにも増して尊いのだ」

 そもそも、人類が、本来もっている「探求心」やら「研究心」やらといったものは、ナンのためにとか、ナニかの役に立つとか、といったものから、ウンと距離を置いた、ウンと自由なものであればあるほど、ウンといい、というのが、Aくんの、根本的な考え方であるようだ。もちろん、私も、その考え方に賛成である。

 「小学校の夏休みの宿題、自由研究、ってヤツですね」、と私。

 「そうそうそうそう、夏休みの自由研究!、それだよ、それ」

 「好き勝手にやれる、というところが魅力でしたよね。勉強嫌いな私も、好きだったな~。ナニか、記憶に残っている自由研究、ありますか」

 するとAくん、記憶に残っている自由研究か~、と、呟きながら、またまた、フェードアウトに黙りこくってしまう。(つづく)