ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.690

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と三十一

「クロクヌレ インペイ!」

 ナゼ、隠そうとするのだろう。

 ナゼ、オープンにできないのだろう。

 ナゼ、そうした隠蔽(インペイ)を恥だとは思えないのだろう。

 ナゼ、ナゼにこの国の政(マツリゴト)は、それほどまでにナゼがナゼ呼ぶナゼナゼワールドなのだろう。

 ん~、まさに文字通り、の、「黒く塗れ」。

 都合の悪い真実、不都合な真実は、片っ端から塗って塗って塗りまくられ、いつのまにやら、もうナニからナニまで真っ黒だ。

 そんな真っ黒の隠蔽に、それに関わる権力を握るシモジモじゃないエライ人たちは、一体、ナニを思うのだろう。それとも、ナニも思わないのだろうか。

 そんな「黒く塗れ」な独り言に、ブツブツと身を投じていると、突然、Aくん、こじ開けるようにしてソコに分け入っている。

 「オープニングからシタールが唸る、あの、ローリング・ストーンズの名曲♪Paint Black (黒く塗れ!)は、むしろ、そうすることで真実が、少しでも見えやすくなるのなら、そんな、心を乱す邪念の元となるようなアレやコレやなど、全て丸ごと黒く塗ってしまえ!、みたいな、そんな感じだと、勝手ながら自分なりに解釈していたのだけれど、その、『黒く塗れ、隠蔽!』は、真実を見えなくするするために黒く塗ってしまえ!、なわけか。ん~、同じ『黒く塗れ』でも、月とスッポン、エライ違いだな」

(つづく)