はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と五十三
「コドモタチ ハ シャカイ ノ タカラ コノホシ ノ ミライ」
「口先だけ、おそらく口先だけの戯言(タワゴト)だと、僕は思っている」
ん?
口先だけの、戯言?
「遠い未来のコトなんかどうでもいいから、この今を。が、あの人たちの揺るぎない政治哲学、政治信条なわけだからな」
未来のコトなんかより、この今を、か~。
「ココにきて、ヤタラと『少子化、少子化』という言葉を耳にするだろ。しかし、本気で心配しているとは、到底、思えない」
あ~、少子化、問題。
ドコからドウ見ても考えてもトンでもなく深刻な問題だと思うけれど、たしかに、あの人たちにとっては、それほどのコトではないのかもしれない。
「子どもは社会の宝。子どもは、この国の、この星の、未来。と、本気で思うことができているなら、もっと、もっとヤレるコトに気付けるはずだろうし、一刻も早く動き出せるはずだと思うんだよね」
子どもは、社会の宝、か~。
「子どもたち一人ひとりにへばり付く様々な状況なんぞに振り回されることなく、全ての子どもが、自分自身の可能性を信じて心置きなく頑張れる、挑戦できる、飛び立てる、みたいな、そんな社会こそが、理想的な社会のカタチなわけだろ。違うかい」
違わない。
どんな状況に置かれている子どもも、その子なりの、その子独自の花を咲かすことができる社会。ソレは、間違いなく理想の社会だと思う。そして、もう、その理想の社会を理想の社会のままで終わらせていていいような、そんな呑気なこの「今」ではない、ということなのだろう。未来に繋がっていないこの「今」など、あるわけがないからである。
「そうした理想的な社会を、今すぐにでも現実の社会にしなければならない、ということですね」
「そう。口先だけで『少子化、少子化』と宣うのでなく、せめて義務教育は給食費、タダ。せめて国公立系は大学まで学費、タダ。せめて奨学金は返済の必要、なし。ソレが難しいのなら返済期限、100年。学級の生徒数も、30人。できれば、25人。などなどと、とにかく、他のコトを犠牲にしてでも、ヤレそうなコトはナンでもカンでも子どもたちのためにトットとガンガン実行すればいいじゃないか、と、僕なんかはマジで思うんだがな~」
ん~、少子化、大問題。
社会が子どもを大切にしないから。子どもを大切にしている社会に、子どもに夢を抱かせる社会に、全くもって見えないから。だから、子どもがドンドンと少なくなっていっているのではないのか。バカの一つ覚えのごとく「子どもが少ない、子どもが少ない」と嘆く前に、まず、その少ない子どもたちを国を挙げて全力でサポートすべきじゃないのか。さすれば、自(オノ)ずと、悪しき流れも良い方向に変わっていくのではないのか。と、「ないのか」づくしのアレコレを、私もマジで思う。
子どもたちは社会の宝。
この国の、この星の、未来。
(つづく)
追記
Buon anno!
きっとブラボ~な一年になる、はず。