ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.497

はしご酒(4軒目) その百と百と三十八

「ダレモガ ニノアシヲフム」①

 誰もが二の足を踏む。

 ソコに、酒落では済まされないほどの甚大なリスクが、へばり付いているからだろう。だから、二の足を踏む。それぐらいのことは、私でも察しがつく。

 その、誰もが二の足を踏むようなことを、お願いしなければならない、そのとき、どうやって、相手の固く閉ざされた扉をこじ開けるのだろうか。ソコが、とても気になる、とAくん。

 「そもそも、誰もが二の足を踏むようなことを、お願いする、というコト自体が、少し怪しくないですか」、と私。

 そして、さらに、誰もが二の足を踏むようなコトを、この世に生み落とした、その元が、問題なのではないのか、という思いもまた、一気に、ブクッと膨らむ。

 「おっしゃる通り。もちろん、怪しい。それでも、そんな怪しさを捨て置いて、皆で寄ってたかって、イイトコどりをしてきたわけだから、誰かが、その、尻拭いをしなければならない」

 皆で寄ってたかって、か~、・・・、当然、その中に、私も含まれるのだろうから、なんだか、心の奥のあたりが、ズンと重くなる。(つづく)