ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.496

はしご酒(4軒目) その百と百と三十七

「ビバ! ショクニンダマシイ」

 私たちのような、並みの一般ピーポーでは、到底、歯が立たない、そんな、職人魂みなぎる匠の領域というものがある。

 この領域に、私もAくんも、憧れもすれば嫉妬もする。それほど突出した、プロフェッショナルな領域なのだ。

 まさに、匠の心技体。

 ごまかさない、ごまかせない、こだわりに、こだわり抜く、「心」。

 できないことまで、できる、できるようにする、「技」。

 そして、やり遂げるまで、悲鳴をあげない、屈しない、「体」。

 これが、私が思うところの「職人魂みなぎる匠の領域」なのである。 

 この職人魂、もちろん、モノづくりに限ったことではない。それぞれの分野で、そうした職人魂は、尋常ではない、眩(マバユ)いばかりの光を放ち続けている。

 するとAくん、「でも、やっぱり、恥ずかしながら、僕自身が、作品をつくっているということもあるとは思うのだけれど、どうしても、モノづくりのソレに、目も心も、キュ~ッと吸い寄せられる。たとえば、災害で、不慮の事故で、損傷した、あるいは、消失した文化財の、修復、復元。そうしたモノに対する職人たちの魂の入り具合は、ことさら凄まじく感じられ、ド級の感動すら覚えるんだな~」、と、熱く、これ以上ないほどの賛辞を送る。

 そんな職人魂に、この私も、心からエールを送りたい。

 職人魂よ、永遠なれ!

 ビバ!、職人魂。

(つづく)