ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.342

はしご酒(4軒目) その九十三

「ソコカラガ!」②

 生きた教材を使いこなせない、ソコのところに、学校教育が抱える深い闇がある、とAくん。

 「ふ、深い闇ですか」

 「そう、闇。不都合なものを葬り去るのにも都合がいい、闇」

 不都合なもの?、ダレに対しての、ナニに対しての、不都合なものなのだろう。そもそも、不都合ってナンだ?、などと、アレコレと考えたりしているうちに、ナニがナニやら、コンガラがって、よくわからなくなる。

 そんなコンガラがった私に、Aくんは、さらに熱く、思いの丈を語る。そして、ついに、その終止符を打つ。

 「どうしても、無難にコトを済ませようとするシモジモじゃないエライ、そんなブナンミンたちに、それを望むこと自体、酷なことなのかもしれないけれど、本気で、子どもたちの考える力を、育み、伸ばし、高めたい、と、思うのであれば、ジタバタせずに、ナニかが起ったその瞬間から『人が生きていくコトをドンとど真ん中に据えた生々しくリアルな教育』そのものが始まるんだ、ぐらいの覚悟と気概をもってほしいんだよな」

 考える力を、育み、伸ばし、高めたい、と、思うのであれば、か~。

 たしかに、仮に、入学試験で記述式問題を導入したとして、トレーニングによって、その解答テクニックを身に付けるぐらいが関の山で、考える力そのものが育まれる、とは、万が一つも思えないのである。(つづく)