ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.323

はしご酒(4軒目) その七十四

「タイシタコトジャナクテ ヨカッタネ」

 ナニやら、トンでもなく恐ろしい気配、予感、そんなイヤな空気がジワリジワリと重く漂い始めたような、そんなとき、人はどういう思いをもって臨むことが望ましいのだろう。

 とくに、イニシアチブを発揮しなければならないシモジモじゃないエライ人たちの、そうしたことに臨む姿勢は、やはり、人一倍、問われるはずである。

 そんな話を、なにやら女将さんと、珍しい純米吟醸酒があるとかないとか、みたいな話題で盛り上がっていたAくんに、ナンとなくしてみる。

 一瞬、チラリと迷惑そうな表情を見せつつも、「たいしたことなかったじゃないか。この損失、どうしてくれるんだ。と、怒ったりする人、いたりするからな~」、とAくん。

 たとえば行政が、気配や予感に迅速に対応したものの、結果として、たいしたことじゃなかったとき、そういう攻撃の仕方をする一般ピーポー(とは、もちろん限ったことではないけれど)は、たしかに、いたりするような気はする。

 「でも、その対極に、たいしたことじゃなくてよかったね、という一般ピーポーも、たくさんいるわけだから。リーダーたちが、どちらの声に重きを置くか。その上でどう動くか。で、この国の、この星の、人々の運命が大きく左右される、ってことだな」、というAくんの言葉に、おもわず、なるほど、と、納得してしまう。(つづく)