ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.257

はしご酒(4軒目) その八

「ナゾガナゾヨブナゾナゾエークン」③

 ついでに私まで驚かす、というオマケまで付けて、物語は後半に突入する。

 いまひとつ才能がないものだから、結局、本気でやり切ることが出来なかった、と、Aくんらしくないテンション低めの後半への突入ではあるものの、若いときに諦めたことが、やはり、諦め切れない、よし、老体に鞭打ってもう一度、という、そんな捲土重来的フレイバーが、ボワンと匂い立つ。

 となると、先ほどの奇々怪々なシステムが、エイ!っと背中を押し、そのフンギリをつけてくれたのかもしれない。そう前向きに受け取れば、それはそれで良かったのでは、という思いも膨らんではくる。と同時に、だんだんと、Aくんにかかっていたキリもモヤもカスミも晴れてきたような、そんな気がした。

 そして、「余生は、つくりたいものをつくる、描きたいものを描く、そんな感じで充分だ」、と、その物語を締めくくるAくん自身もまた、実に晴れやかに見えたのである。(つづく)