はしご酒(3軒目) その六十六
「デモ ト シカ ト トキドキ オンシ」②
「昔は、デモシカ先生、なんぞと、よく揶揄されたりもしていたらしい」、とZ’さん。
もちろん、この「デモシカ」、誉め言葉であるわけもなく、しかも、デモンストレーションの「デモ」のことでも、愛くるしい奈良公園の鹿の「シカ」のことでもない。
では、その出どころは、というと、学校の先生にでも、の、「デモ」、と、先生にしか、の、「シカ」、との、ちょっと悲しい合体版のことで、あるらしい。
すこぶる消極的で後ろ向きな動機で、学校の先生という職業を選択された方々に対する総称としての「デモシカ」であったようだ。
そうした「デモシカ」先生なる言葉が存在していたこと自体、実に残念な話であるわけなのだけれど、同時に、かなり以前から、学校の先生という職業の社会的な立ち位置が、不当に、軽んじられていたような、そんな気が、してならないのである。(つづく)