ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.395

はしご酒(4軒目) その百と四十六

「ゼントタナン ココロ ノ ジュギョウ」④

 Aくんの、それなりに的を得た熱き愚痴を聞くにつれて、ズンズンと思えてきたことがある。

 不幸にも出番を失ってしまったスーパー先人たちの、その英知と気概と覚悟、そうした境地の数々を、分かりやすく体系化し、そうしてつくり上げられたハイブリッドな教材を、授業で、目一杯、アグレッシブに活用しながら、その、英知と気概と覚悟とを、子どもたちの心の中に、どうにかして落とし込んでいく、ということこそが、ひょっとしたら、真の教育、真の心の授業、なのではないだろうか、と。

 しかしながら、そうは思えてきたりするものの、目の前に立ちはだかるその壁は、思いのほか高く、強固で、だからこそ、あの「道徳」は、その誕生後、衰退の一途をたどり続けているのかもしれない。

 トにもカクにも、大人の事情まみれの教育の現場のその闇は、心底、深そうであり、それゆえ、そこで、もがく心の授業の前途は、やはり、滅法、多難だということだ。(つづく)