ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.723

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と六十四

「シュウキョウ ト タブー ト ハッショウドウ」③

 「トンでもないことに見舞われ、塗(マミ)れ、心乱れ、荒(スサ)み、折れそうになる。そんなときの一筋の光なのであって、その光のスペクトルが八正道。そして、その光のスペクトルの一色一色が、ソコから抜け出すための考え方の究極のカタチ、というそんなイメージ、かな」

 光のスペクトル、か~。

 かなりのヤヤこしさではあるが、なんとなく、わかるような気もする。とはいえ、「光の」、などと、言われてしまうとどうしても、余計に宗教宗教してくるのもまた事実。そのあたりのために、Aくんイチオシのブッダの八正道は、公教育に受け入れられないのだろう。

 するとAくん、そんな、「光の」、に、微妙に引っ掛かる私を察知してか、こう言い添える。

 「天からの一筋の光が僕たちを救ってくれる、というわけではない。天からの一筋の光は、あくまで考え方の、生き方の、ヒントであり、一つの道標(ミチシルベ)であり、それ以下でもそれ以上でも、ない、ということだ」

(つづく)