ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.213

はしご酒(3軒目) その四十二

「フリマワサレテ」④

 私の心の中のブツブツを洗い落としてくれたそのついでに言うわけではないけれど、もちろん、大いなる権力と影響力をもち合わせたシモジモじゃないエライ人たちに、期待も、信頼も、したい。という思い、ないわけではない。

 あの人たちが、真っ当な方向に、その大いなる権力と影響力を遺憾なく発揮してくれれば、きっと多くの追い詰められたピーポーたちが救われるに違いない。と、思いもする。

 しかし、度重なる不祥事やら信用失墜行為やら、や、目先偏重の小手先愚策やら強引な暴策やら、に、よって、どうしても、失望も絶望も、プクプクと、プクプクと膨張する。

 そう、プクプクと膨張し、パンパンに腫れ上がるのだ。

 ・・・ん?

 ひょっとすると。

 ひょっとすると、権力は、人の体内にある人として失ってはならない大切なモノを食い潰すモンスターなのかも。言い換えれば、人は、そんな大いなる権力も影響力ももち合わせていないからこそ、ごく普通に、他者の気持ちに寄り添える、謙虚な気持ちでコツコツと取り組み続けられるのかも、しれない。

 トンでもなく大きな権力やら影響力やらが人を人でなくす。人でなしにする。

 とはいうものの、権力も影響力ももち合わせていないような、ただ理不尽に振り回されているだけのような、そんな力なき小さき者たちに、いったいナニができるのか、と、絶望的な気持ちなることもまた、ある。ありまくる。

 そう、弱者には、圧倒的な力で劇的に現状を変えていくなどという離れ業をやってのけることは、まず、できない。

 でも、ナニモノにも塗(マミ)れていないクールな目で、耳で、心で、ナニよりも大切なモノを感じ取ろうとさえすれば、自ずと、少なくともこの星の真の平和というものは、むしろ、力(チカラ)小さき弱者たちの、国境も民族も宗教もナニもカもを越えに越えた星の数ほどの「愛」の地道な積み重ねでしか実現できないんだ、というコトに気付けるはずだ。

 そう、権力者ごときに、真の平和は築けない。

 どこまでも美しい、星の数ほどの愛たちに、乾杯!

(つづく)