ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.212

はしご酒(3軒目) その四十一

「フリマワサレテ」③

 たとえば、シモジモであるエラクナイけれど地道にガンバる一般ピーポーたちが、国境やらナンやらを越えに越えて、交流し、協力し、助け合い、そして、信頼関係をコツコツと築き上げていくことに尽力されているにもかかわらず、そうした努力を、いとも簡単に無にするかのような、大いなる権力を握るシモジモじゃないピーポーたちの所業を、幾度も、この星のそこかしこで見るにつけ、私は、一層そう思うようになったのである。

 ようするに、それほどまでに権力者たちによる理不尽な「振り回し」は罪深いということだ。

 にもかかわらず、あの人たちは、ナゼ、いとも簡単に、そんな理不尽に、この世の中を振り回すことができるのだろう。なぜ、理不尽に振り回され見も心も打ちのめされた一般ピーポーたちのその思いを、ソレでも頑張っていこうとするその気概を、感じ取ろうとしないのだろう。

 そんなダークな気分になりかけた私の心の中のブツブツを、マスターのスペシャリテであるマティーニが、少しずつ、清めてくれながら静かに落ちていく。(つづく)