はしご酒(2軒目) その四十九
「シマグニコンジョウ ト タヨウセイ パラダイス」③
「気~わる~せんといてや、自分自身に言うてるようなもんなんやから、チャッチャと聞き流してもらわんと」と、ジワジワとV字回復のOくん、声にも勢いが出てきた。
気を悪くなんてしてはいないけれど、結局のところ、異文化とは、なんなのか、どう捉えればいいのか、そのあたりがゴチャゴチャっとわからなくなってしまった、ということは、あるかもしれない。しかも、こうして、あれこれ考えてしまうこともまた、頭でっかち、となると、ゴチャゴチャ感は倍増である。
「文化は個性や、際立った個性と際立った個性との対等なぶつかり合いこそが多様性、せやからこそ、あらたなる熱く燃えるエナジーを生むんや、と思てる」、とOくん。
なるほど、個性と個性とのぶつかり合いか~、たしかに、見え方が変わってくるような、気はする。
「アンタが言うてはる、ナンチャラタヨウセイパラダイス、そいつの面白さは、やっばり、そのへんにあるはずや、マチガイあらへん!」、Oくん、見事に完全復活である。
ちょっとワクワクしてきた。
そんなワクワク感にテロリテロリと絡まりながら、福島のキレイな中取り無濾過原酒が、五臓六腑に染み渡る。(つづく)