はしご酒(2軒目) その五十
「セイサイ ト ホウフク」
「制裁と報復」、イヤになるほど、呆れるほど、コレばかりである。
この地球上の強大な権力を握ったシモジモじゃないエライ人たちによる外交というものは、一体全体、どうしてしまったのだろう。
仮に、実は、非常に巧みな外交手段なのである、ということであるならば、コレと同じ戦略で、一度、友だちづくりでも恋人づくりでもしてみようか。
「制裁と報復」作戦のその先にあるものは、はたして。
「制裁と報復、その陰湿な応酬が、サド(sadistic)やら、マゾ(masochist )やら、その他イロイロやら、を、巻き込んで、絡みに絡みまくらせているうちに、ネットリと新たな愛のカタチを誕生せしめる、ということも」、と、私がまだ話している途中であるにもかかわらず、「そんなもん、ありまっかいな!」、と、切れ味鋭く脇から乱入する、一刀両断なOくん。
たしかに、Oくんの言う通り、友だちづくりやら恋人づくりやらでは、(よほどのマニアでない限り)「ありまっかいな」、かな。
しかしながら、魑魅魍魎(チミモウリョウ)蠢(ウゴメ)く怪しげな政治や外交の世界では、我々シモジモであるエラクナイ一般ピーポーには、到底理解などできない、極めて個性的で独特な、クセの強い新種の愛のカタチが・・・・・・ないな、ない、あるわけが、ない。(つづく)