ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.143

はしご酒(2軒目) その四十五

「サラバ ノンポリ メザセ ニュートラー」②

 「ヒトラー、って、選挙で選ばれたんやんな~」

 うお~、ウルトラ級の唐突感。さすがOくん、気持ち良すぎる。

 そう、アドルフ・ヒトラー(1889~1945)、彼は、国民の圧倒的な支持を得て、国家元首となるのだ。

 あの、ゴア(『マグマ大使』)や、ナゾー(『黄金バット』)や、ブラックゴースト団(『サイボーグ009』)たちがヤラかしてくれたように、ヒトラー率いる不法武装集団が、非道なチカラで国民を鎮圧し、服従せしめた、というわけではない。と、いうことらしいのだけれど、ほぼ受け売り。悲しいかな、難しいコトは、よくわからない。

 「国民が、その、ニュートラーっちゅうヤツやったら、あのヒトラーは、誕生せえへんかったっちゅうことになるんやろか」、とOくん。

 ニュートラー、と、ヒトラー 、か~。

 ま、まず、ニュートラーからのヒートラー、からの、ヒトラー、で、あることだけは間違いないな、などと、とりあえず、バカみたいなプロローグから始めつつ、先ほどの、暴れん坊酒とは真逆の、福島の、米にはトコトンこだわっているという、スッキリとしているわりには、充分に、存在感もある中取り無濾過原酒をもチビチビとやりつつ、自分なりに考えてもみつつ、つつ、つつつ、それなりに、結論に、辿り着こうとジタバタする、私。

 あっ。

 ヒトラー、と、ポピュリズム、かも。

 「おそらく、ですが。いわゆる、あの、『ポピュリズム』なんて考えたこともない。とか、そもそも、ソレがどうした、興味すらない。とかといった、そういった、極めてノンポリ的な一般ピーポーたちのココロの隙間に、なにかのキッカケで、ハズミで、突然、ワワワワワ~っと押し寄せてくるような、そんな感じのヒトラーの誕生であったのかもしれませんね」

 「ほ~。つまり、ノンポリにスキあり、っちゅうこっちゃな」、と、意外にも納得した表情の、Oくん。

 ノンポリに、スキあり、か~。

 つまり、そんなスキだらけのノンポリニュートラーとでは、やはり、月とスッポンだということなのだろう。

 新たなるヒトラーを誕生させないためにも、私たちは、さらばノンポリ、めざせニュートラー、で、なきゃ~ダメなんだと、更に一層、ズンズンと、ズンズンと思えてくる。(つづく)