ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.116

はしご酒(2軒目) その十八

「カイキ ザ マモノ~ズ」

 なんとなくながらも、ココにきて、ジワジワと、ジワジワとわかってきたコトがある。

 ソレは。

 イヤになるほどガクッとくるような、悲しくなってしまうほど呆れ果ててしまうような、そんなコトまみれの今日この頃。もう、そこかしこで、大量の「あ~あ」という溜め息たちが溢れ返って、流れ込んで、いつの間にか、知らないうちに、ダークでヘビーな巨大な沼が出来上がってしまった。

 そんな、その沼に。

 そう、そんなその沼の奥の奥の滅法深いトコロに、2匹の気色悪い魔物のようなモノがグニュングニュンと蠢(うごめ)いている。と、いうコトが、わかってきたのである。

 その2匹の魔物とは。

 その、トコトン怪奇な「ザ・魔物~ズ」の正体とは。

 おそらく、この世の中の「ガクッと」やら「呆れ果てる」やらを引き起こしている悪行たちは、このコンビによって操られたモノであるに違いない。

 その、コンビとは。

 あの、「差別」と「保身」である。

 そう、差別と、保身。

 この差別と保身、スキあらば、人間の心の隅の隅に厄介な卵を産み付ける。産み付けられた人間は、だんだんと、相手を、とくに弱者を軽んじるように、馬鹿にするように、否定するように、なっていく。そのくせ、自分の身だけには、イヤになるほどシッカリと守ろうとするものだから、悲しくなってしまうほどガクッとも呆れ果てもするのである。

 「差別」と「保身」。このコンビ、マジでどうしようもない。

(つづく)