はしご酒(2軒目) その十八
「カイキ ザ マモノ~ズ」
なんとなくながらも、ココにきて、ジワジワと、ジワジワとわかってきたことがある。
ソレは。
イヤになるほどガクッとくるような、悲しくなってしまうほど呆れ果ててしまうような、そんなコトまみれの今日この頃。もう、そこかしこで、大量の「あ~あ」という溜め息たちが溢れ返って、流れ込んで、いつの間にか、知らないうちに、ダークでヘビーな巨大な沼が出来上がってしまった。
そんな、その沼に。
その沼の奥の奥の滅法深いトコロに、2匹の気色悪い魔物のようなモノがグニュングニュンと蠢(うごめ)いている。と、いうことが、わかってきたのである。
その2匹の魔物とは。
その、トコトン怪奇な「ザ・魔物~ズ」の正体とは。
おそらく、この世の中の「ガクッと」やら「呆れ果てる」やらを引き起こしている悪行たちは、このコンビによって操られたモノであるに違いない。
その、コンビとは。
あの、「差別」と「保身」である。
そう、差別と、保身。
この差別と保身、スキあらば、人間の心の隅の隅に厄介な卵を産み付ける。産み付けられた人間は、だんだんと、相手を、とくに弱者を軽んじるように、馬鹿にするように、否定するように、なっていく。そのくせ、自分の身だけには、イヤになるほどシッカリと守ろうとするものだから、悲しくなってしまうほどガクッとも呆れ果てもするのである。
「差別」と「保身」。このコンビ、マジでどうしようもない。
(つづく)