トイレ休憩
「ベンリザウルス ガ ベン ヲ タレナガス」
「便利」を求める「欲」が、さらなる「欲」を呼び、あらたなる「便利」を求めるこの世界が、「便利」を喰い散らす巨大な恐竜に見えてくる。食べても食べても腹が満たされることなどない、終わりなき無間地獄ワールドに身を投じた、まさに食い意地の張りまくった巨大な恐竜だ。
その、永遠に満たされない「欲の連鎖」地獄も、充分に心配事ではあるのだけれど、それ以上にAくんが心配しているのは、その巨大な恐竜が垂れ流す「便」のコトである。
食べ過ぎた「便利」は、(その副産物である)大量の「便」となり、そこいら中に垂れ流される。やがて、世界中が便にまみれ、「便が便を呼ぶ便便ワールド」地獄に、ということも、充分にありうるかもしれない。そのときになって、「便」だけに「くっそ~」などと大声で叫んでみても、もう誰の耳にも届かないぞ!、と。
全く予想もしていなかった、このタイミングでのAくん捨て身のダジャレに、ちょっと困惑した私は、おもわず「そろそろお開きにしましょうか?」と声を掛けた。「酔っ払ってると思ってるんだろう~」と、ほんの少しだけ照れ臭そうな表情を見せたAくん。
そのときである。Aくんの友人(だと思う)の、その奥さんのあるコトバが、フッと脳裏をよぎって、プッと吹いてしまいそうになったことを、今でも覚えている。
「おじさんたちのダジャレって、脳の前頭葉の老化なんだって」
実に失礼な、Aくんの友人の、奥さんである。(つづく)