はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と五十九
「ケツゼイ ニ ムラガル ハイエナタチ ノ マツロ」
「もちろん、全てが全て、そうだとは言わないが、力を失いかけた大企業に限って血税頼み、税金に群がりがち、なのではと、このところ、思えて、思えてならないんだよね」、とAくん。
力を失いかけた、大企業?
「巨大化した恐竜たちの断末魔の悪あがき、と、言ってもいい」
断末魔の、悪あがき?
「つまり、過去の栄光にスガりまくり過ぎたがゆえに、新たなる、会心の次の一手を打たずに、打てずに、安易に権力者たちにスガりまくる、という、まさに、スガりまくりがスガりまくるを呼ぶスガりまくりスガりまくるワールド、って感じなわけだ」
お~。
以前から心地よいAくんの愚痴やら文句やらボヤキやらであったわけだけど、お酒という潤滑油の力も借りて、次から次へと畳み掛けるように繰り出される今宵のそのAくん節に、なんだか、より一層の凄みのようなモノを感じてしまう。
「仮に、致し方なく血税に群がるにしてもだ、血税に群がるなら群がるなりのマナーってのがある、はず。ソコを軽んじると、必ずと言っていいほど墓穴を掘る」
ん~。
たしかに、血税を喰い物にするような狼藉(ロウゼキ)が後を絶たない。
「血税に群がったハイエナたちの末路が、ボンヤリながらも、なんとなく、僕には見えてくるんだよな~」
血税に群がった、ハイエナたちの末路、か~。
でも、ハイエナは、そんなモノに群がったりはしませんよ、と、一瞬、とりあえず言っておこうと思いはしたけれど、話がヤヤこしくなりそうなので、ヤメておく。
そう、そうなのである。
ハイエナは、仲間と協力しながら真面目に狩りをする。むしろ、横取りするのは百獣の王ライオン。そんなライオンの暴挙に手も足も出ず、遠巻きに眺めるだけのハイエナ。ただ、その、横取りライオンが喰い残したモノをいただいていただけなのだ。悲しいかな、ソコだけが、妙にクローズアップされてハイエナのイメージが出来上がってしまった、に、過ぎない。
大企業には申し訳ないが、なんだか、大企業とライオン、とてもよく似ているように思えてならない。(つづく)