ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.46

箸休め

「インドア ボウケンオー!」①

 少年漫画雑誌が最高に熱く、そして、輝いていた時代が、あったような気がする。

 「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊少年サンデー」(小学館)など、巷ではアレやコレやの少年漫画雑誌が誕生し、パワフルに闊歩していた。個人的には「少年画報」(少年画報社)がお気に入りであったのだけれど、その、ネーミングのキラキラ感からしてみれば、やっぱり、「冒険王」(秋田書店)がズ抜けていたように思う。だって、「冒険」だけでも充分にワクワクするのに、ソコに、「王」のオマケまで付いているのだから。と、なると、あまりにもストレート過ぎて、全くもって味気もナニもないネーミングの「少年画報」では、ハナから太刀打ちなどできるはずがないのである。もちろん、「週刊少年マガジン」も「週刊少年サンデー」も、同様の理由で完敗である。

 そう、冒険、冒険王。

 私は、今でもこの「ボウケン」という響きが好きだ。

 だからといって、エベレスト登頂やら太平洋ひとり旅やら南極大陸犬ゾリ走破やら、と、いった、ザッツ冒険みたいなコトは、まずできない。できっこない。でも、そんなハデなアウトドア冒険ではなく、こんなジミなインドア冒険というモノも、あるのではないか、と、コッソリ思ったりしている。

 以前、そんな「インドア冒険」論を、私が、遠慮しつつもソレなりに熱く語らせてもらった時、Aくん、「そのインドア冒険というヤツの中に、教育があり、授業があるような気がズンズンとしてきたな~」、と。

 そうそうそうそう、そうだった。あの時、Aくんは、「教育も、授業も、インドア冒険なんだ、そう、インドア冒険。そして、僕たちは、教育の冒険王をめざさなきゃいけないんだ~」って、酒の力も大いに借りて、叫んでいたな~。

 そう、冒険、冒険なのである。

 ナニもカも、ドンなコトも冒険だと思えば、いかなるコトもワクワク感満載で楽しく乗り切れるような気がしてくるから不思議だ。ナゼなら、ソレこそが冒険の醍醐味であるからである。そのコトは、もちろん学校の先生に限ったことではない。インドア冒険のチャンスは、冒険王になるチャンスは、万人の人生のそこかしこにあるのだ。

 めざせ、めざせインドア冒険王!

(つづく)