ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1067

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と九十八

「アクマ ノ ゴミ アクマ ノ アマイ ササヤキ」

 いつだったか、ある人が、こんなコトを宣っていた。

 

 人類だけがゴミを出す。

 

 そう聞いた時は「まさか」と思ったが、すぐさま「あり得るな」と納得、合点がいく。

 そう、そうなのである。

 恥ずかしながら、人類だけがゴミを出す。

 中でも、プラスチック系のゴミは実に厄介で頭が痛いわけだけれど、ソレにもまして、あの「核のゴミ」は、人類の愚かさの象徴としてゴミ界をリードし続けている。

 たしかAくんは、以前、「核のゴミ」を「悪魔のゴミ」と呼んでいた。ソレほど厄介なゴミだということを、彼は言いたかったのだろう。

 「昔、悪魔のゴミについて、熱く語っておられましたよね」、と、Aくんを真似て思いっ切り唐突に、私。

 「あ、悪魔の、ゴ、ゴ、ゴミ~?」、と、一瞬、想定外の驚きの表情を見せた、Aくん。「唐突感」の申し子のようなAくんだが、唐突な問い掛けには、コトの外、弱い。

 「核のゴミ、を、悪魔のゴミ、と」

 「核のゴミを悪魔のゴミね~・・・。そんなコト言ったか、な、あ、あっ、あ~、はいはいはいはい、思い出した、思い出しました。悪魔の甘い囁きに心を掻き乱され、いったんその魅力に取り憑かれてしまったら、最後、もう、ソコから抜け出すことなど、まず、できない。という意味を込めての『悪魔のゴミ』ね。言った、言った、言わせていただきました」

 悪魔の甘い囁き。

 悪魔の、甘い、囁き、か~。

 「良いモノなのか悪いモノなのか、が、ハッキリしていないにもかかわらず、もの凄い勢いで広まっていくモノ、って、ほとんど、その、悪魔の甘い囁きですよね」

 「そうだな。どうしても、どうしても、品はないけどナゼか惹き付けられてしまう合成甘味料の、例えば、あの、チクロのような強烈な甘さに、ヤラれてしまうわけよ。だから、それゆえ、今でも、まだ、そのゴミの処理方法は曖昧で、具体的にどうするとも決まっていないのに、核に、核に頼ってしまう」

 頼ってしまう、か~。

 そういえば、原子力発電の生みの親であるらしいある学者が、ソレを、「未完成な商品」と自戒の意を込めて評していた、ように記憶する。たとえ未完成な商品であっても、そのあまりの魅力に、皆が、飛び付いた、ということなのだろうな、きっと。

 「ソコに利権も絡みに絡む。だから尚のこと手離せなくなる。仮に、仮に未来がドウにかなってしまうとしても、そんなコトは知ったこっちゃない、ということだ。どうだい、ナニからナニまで悪魔、悪魔そのものだろ」

 ん~、残念ながら、おっしゃる通り。まさに、トンでもなく危険な罠(ワナ)、悪魔の、悪魔の甘い罠、だな。(つづく)