ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.931

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と六十二

「シュウダン ギャンブル シンドローム

 目の前の「儲け話」に、つい。

 愚かなる、空前絶後の行き当たりバッタリ政策によって、ドン詰まりの様相を呈しつつある今日この頃なだけに、その気持ち、わからなくはない。けれど、目の前の、その「儲け話」に飛び付いて、メデタシメデタシなどということは、申し訳ないが、マズない。

 「真面目にコツコツと、が、報われない。そんな国になりつつあるコトが、亡国への第一歩、ということなのかもな」、とAくん。

 ぼ、亡国への、第一歩?

 ん~、亡国への第一歩、か~。

 先ほどのピンハネ偽天国も、ソコから湧いてきた、亡国へと繋がる邪道の一つ、ということか。

 「だから、どうしても、ギャンブル的なモノが幅を利かす」

 ギャ、ギャンブル的な、モノ?

 「自治体までもが、本気で、ギャンブルにウツツを抜かす」

 あ~。

 「IR(アイアール)という、あの、オシャレなネーミングの隠れ賭博、カジノのことですよね」

 「あんなモノに、信じられない額の税金を注(ツ)ぎ込んで、いったい、その先にナニがあるっていうんだ、と、普通は思うよな。にもかかわらず・・・」

 「寄って集(タカ)って皆で、夢見心地の集団ギャンブルシンドローム、という病にも似た感じなのでしょうね、きっと」

 夢を見るのは勝手だが、ソレが、見返りが望めない、どころか、トンでもない負の遺産になるかもしれない、みたいな、ソンなトコロへの血税の大量投入というコトになると、その夢自体、やはり、かなりタチが悪い、としか思えない。というか、そもそもギャンブルなのだ。行政とギャンブルとの癒着など、まともな神経では、思考では、絶対にあり得ない。

 「目の前の『儲け話』に夢見心地。それゆえ、負の部分が、ダークな落とし穴が、全くもって見えなくなってしまうという、恐怖の集団ギャンブルシンドローム。その先に待ち構えているモノを、ほんの少し想像しただけでも、ゾゾゾゾゾッと恐ろしくなってくるよな~」

 夢見心地。

 同じ夢でも、夢には、「悪夢」という夢もあるというコトを、忘れてはいけないはずなのに。

(つづく)