ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1224

はしご酒(Aくんのアトリエ) その六百と五十五

コスパ タイパ シンドローム

 費用対効果。

 時間対効果。

 この「対効果」ってヤツが、なかなかどうして、結構、曲者(クセモノ)なのである。

 そういえば、ドコまでもアナログなAくんが、そういった「対効果」にグルグル巻きにされたピーポーたちのその心の闇を、「コスパ、タイパ、シンドローム」と呼んでいた。

 そう、コスパ、タイパ、シンドローム

 たとえば、過重労働を、トンでもないブラック労働を、是正するための、コスパ(cost performance )、タイパ(cost performance )であるのなら、まだ理解はできる。大事なコトだとも思う。だが、しかし、ナンでもカンでも、とにかく、コスパが、タイパが、良くなければ、全くもって意味がない。その無駄に堪えられない。では、やはり、コスパもタイパも結構な曲者だと言わざるを得ない。つまり、融通の利かない、ある意味病的な、効率至上主義者に他ならないというわけだ。

 そう、カッチンコッチンの、効率、至上主義者。

 当然のごとく、効率しか考えられないその先に、達成感も充実感も、真の喜びも、到底、あるとは思えない。

 ある、デジタルなゲーム製作に携わってきたベテランの、ある呟きが、私の耳に、心地よく、へばり付いたままだ。

 「フロンティアが成熟する時って、意外と泥臭いことをやっている」

 泥臭い、か~。

 残念ながら、コスパもタイパも良くはないかもしれないが、そんな泥臭い取り組みのその先にこそ、達成感やら充実感やら、真の喜びやらが、あるように思えてならないのである。(つづく)