はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と六十三
「ビジネス ガ キタリテ フエヲフク」
「本来なら聖域は、聖域なら聖域として聖域らしく、できる限りドを越した金銭的な的なモノとは距離を置いて然るべきだと思うのに、ナゼか、その後ろにベチョッと『ビジネス』がへばり付いてしまう。そして、その途端にナニもカもが怪しくなって金(カネ)まみれ、などというコトに、どうしてもなりがちなんだよな~」、とAくん。
聖域、ビジネス、金まみれ?
ナンだか不穏な空気が、一気に漂い出してくる。
「つまり、つまりだ。ほんの少し進むべき方向を、道を、間違えただけで『ビジネス』は、いかなる聖域をもダークに染め上げてしまう危険性を孕(ハラ)んでいる、というわけだ」
ダークに染め上げてしまう?
「だから、だからこそだ。ビジネスにかかわるピーポーたちは、そんな聖域に踏み入る時は、必ず、『清く正しく美しく』を肝に銘じておかなければならない。はずなんだけれど」
「そうは問屋が卸さない、ですか」
「そう、その通り。悲しいかな、そうは問屋が卸さない」
そうは問屋が卸さない、か~。
・・・
ビジネス。
ビジネスは、キレイ事ではない。
などと、自信満々に宣うシモジモじゃないエライ人たちが数多(アマタ)いる。それゆえ、そもそも、そんな、キレイ事ではないビジネスと聖域との相性、が、いいはずがないのである。
するとAくん、突然、やたらとオドロオドロしく、・・・
「ビジネスが~来(キタ)りて~笛を~吹く~」
おっ、悪魔が来りて笛を吹く。
あの、横溝正史シリーズ。でも、申し訳ないが、その意味も意図も、サッパリわからない。
「聖域に、金まみれのビジネスが、土足でドカドカとやって来て、モ~ケロ~モ~ケロ~と笛を吹く、みたいな、そんな感じだ」
モ~ケロ~モ~ケロ~と笛を吹く?
「たとえば、スポーツに、というか、オリンピックに、ベチョッとへばり付いてモ~ケロ~モ~ケロ~もっと~モ~ケロ~。たとえば、宗教に、というか、カルトに、ベチョッとへばり付いてモ~ケロ~モ~ケロ~もっと~モ~ケロ~。もう、マジで、ウルサいウルサい」
あ~、なるほど。
モ~ケロ~モ~ケロ~もっと~モ~ケロ~、か~。
(つづく)