ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.877

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と八

「メディア~ン!」

 民主主義とは多様性。そう言い切っても一向に差し支えない、とAくん。だからこそ、偏ってはいけないんだ、と、語気を強める。

 多様性?、偏ってはいけない?

 「それゆえ、いつだって問われるのだと思う」

 ん?、問われる?

 「メディアの、その姿勢が、あり方が」

 メディアの?、そのあり方?

 「それなりにメリットがあるのであろう、そんな、なんとなく無難なある一部に擦り寄って、ソコソコの視聴率を稼げればソレで充分だろ、みたいなことだけは、絶対に避けなければならない」

 メリットがあるであろう、そんな一部に擦り寄る?

 「それほど、ありとあらゆる全ての人々に対して責任がある、ということだ」

 全ての人々に責任がある、か~。

 「少なくとも、ナニかに、ダレかに、忖度(ソンタク)して、媚(コ)びて、怯(オビ)えて、歪曲、捏造、省略、消去、などという、姑息な悪魔のやり口に手を染めてはいけない」

 なるほど、おっしゃる通りだ。

 「多様性が共生できる世の中であるためにも、メディアは常に正しくなければならない、正しく伝えなければならない、ということですか」

 「そういうことだ。メディアは、真実の学びの場、で、あらねばならない」

 真実の学びの場、か~。

 「で、なければ、メディアなんて、アッと言うまにズルズルと、単なる下世話な情報ツールに成り下がり、その本来の存在意義さえも消えてなくなってしまうに違いない」

 そう吐き捨てたあと、Aくん、たしかアルフィー(THE ALFEE)であったか、その往年のヒット曲を、彼らに負けないぐらいのキーの高さで、またまた熱く、熱く熱く歌い上げる。

 メディア~ン

 メディア~ン

 メディア~ン

 ウォンチュ~ステイッミ~

 メディア~ン

 メディア~ン

 メディア~ン

 ウォンチュ~ステイッミ~

 お~、メディア~ン

 と~つぜん

 ど~こへっ

 きえったの~か~

(つづく)