ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.1009

はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と百と四十

「ランボウナ セイロン ト テイネイナ ジャロン ト」

 ウダウダ系のダークな反体勢力の、あまりにも酷(ヒド)い言動の数々に、つい、おもわず、堪忍袋の緒が切れてキレてしまう。どの分野においても、こうしたメラメラ系の熱き戦士たちは、どうしてもキレがちなのである。そして、そうした真面目すぎるほど真面目な熱き戦士たちに限って、クソ真面目に、潔く、その責任を取って職を辞するのだ。

 なんという、悲劇。

 さらに、その悲劇は、理不尽に膨張する。つまり、イツだって、ドコだって、そのヤル気の無さがバレないように、上手い具合にケムに巻きつつカモフラージュさせながら、ウダウダと、ウダウダと、真っ当な社会のために必要なモノ、コトを、手当たり次第に阻止しようと企む姑息な似非(エセ)戦士たちは、そう簡単には責任など取らないし、自ら職を辞することもしないのである。

 な、なんという、さらなる悲劇。

 「仮に、仮にですよ。この世に、乱暴な正論と丁寧な邪論があったとしたら、いったい、ドチラが正しいのでしょう」

 そう、Aくんに問うてみる。

 少し長めに、「ウ~ン」と唸ったあとAくんは、ユルリと、こう、答える。

 「そりゃ前者だろ」

 やはり。

 「と、言いたいところだが」

 えっ!?

 「この世には、イロイロな考え方があっていいわけだから、その論が『正』であるとか『邪』であるとかのその前に、その人間の立ち振舞いが問われる、かもしれないな」

 なんと。

 意外である。もちろん、ヤニワには納得などできそうにない。それゆえ、プチ反旗を翻してみる。

 「怒りは、ソレが正しくとも悪である。というコトですか」

 するとAくん、微かに目を細めて、こう返してくる。

 「怒りは悪ではない。場合によっては大きなパワーさえも生む。しかし、その表し方を誤れば、逆に大きな代償を払うコトにもなり得(ウ)る、ということだ」

 怒りの表し方、か~。

 「でも、おそらく、いや、絶対、私は、そんな、歪みまくった邪論を丁寧に巧みに操る人間なんて、好きになれないと思います。というか、大っ嫌いです」

 するとAくん、今度は、その目を3割増しほどに大きく見開いて、こう、トドメを刺す。

 「そりゃそうだ。そりゃ、そうだよな。もう、もう、ソイツらの肩をもつのは止(ヤ)めた。そんな慇懃(インギン)無礼でウソ臭いヤツ、ドコもカシコもスミからスミまで、ごしゃっぱらやげる!、だぜ~、まったく」

 あ~。

 たしかに、たしかに、ごしゃっぱらやげる!、である。

(つづく)