ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.527

はしご酒(4軒目) その百と百と六十八

「メイレイサレタラスルンジャーズ」②

 「こういう行動をとるべきだ、と、いうことがあるとする。そのとき、自分自身で、なぜ、そういう行動をとらなければならないのか、を、シッカリと考え、納得した上で、その行動をとる、ということが大切なはずなんだ」

 充分に理解できる。

 「にもかかわらず、そのとき取材を受けていた、ある、とるべき行動をとりたがらない一般ヤングピーポーの発言が、これだ」

 Aくんの語りに引き寄せられるように、ググッと耳を向ける。

 「国が命令してくれたら、そうしますよ」

 ヘッ!?、と、おもわず耳を疑ってしまう。

 「この発言に対しての、あるお笑いタレントの否定的なコメントであったわけだ」

 一気に、その、あるお笑いタレントのことを応援したくなる。

 「そうじゃないだろ、それはダメだろ、と、僕だって思う。命令してくれたらそうする、という、この、モノの考え方そのものが、とてつもなく大きな危険性を孕(ハラ)んでいるように、どうしても感じてしまうんだよな」

 場合によっては、その命令を下す人であったり、国であったり、が、歪(ユガ)んでしまっていることだってあり得るのに、自分自身で考えることを放棄して、自らの意思で、とるべき行動をとらず、挙げ句の果てには、命令してくれたらそうする、では、あまりにも短絡的すぎる。

 「恐ろしいことだが、ひょっとしたら、権力を握る者からすれば非常に都合のいい新手のダークヒーロー、メイレイサレタラスルンジャーズたちは、一般ヤングピーポーたちの間で、ジワリジワリと繁殖し始めているのかもしれないな」

(つづく)