ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.633

はしご酒(Aくんのアトリエ) その七十四

「べラボ~ブラボ~コラボ~!」①

 「べラボ~にブラボ~なコラボ~ってのが、閉塞感を打破する救世主となり得る!、とは思わないかい」、とAくん。

 もう、親父ギャグはいいから、と、心の中で叫ぶ、私。

 でも、そう叫びつつも、その、ブラボ~なコラボ~、というところには、ナニやらたしかに共感できるものはある。

 「そのコラボ~~って、コラボレーションのことですよね」

 「そう、そのコラボ~。それぞれが単独で頑張っても、それぞれがもつその弱点を払拭することはできないだろ。だからこそのコラボ~、それゆえのブラボ~なコラボ~、が、きっと、そうした弱点を補い合える救世主になり得るはず、という、そういう意味だ」、と、語るAくんから、単なる親父ギャグじゃないんだという熱い思いは、たしかに感じ取れる。

 さらにAくん、「この世に数多いる、ある、いかなるタイプのトンでもないヤツも、コトも、それぞれがもつ弱点を、見事なまでに突いてくる」、と。

 「弱点を突いてくる、というその感じ、わかるような気がします」

 どうしても是正できない、そんな、どうすることもできない丸見えの弱点だけではなく、なんとなく上手くいっているから、見えづらくなっている、見ようともしなくなっている、そんな、そんな、とりあえず捨て置かれた、気付かれにくい弱点の臭いまで嗅ぎ取って、トンでもないヤツが、コトが、ジワリジワリと忍び寄ってくる、という、そんな、そんな、そんな、イメージだ。(つづく)