ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.528

はしご酒(4軒目) その百と百と六十九

「ロンテン スリカエ ノ カイ」

 強引な詭弁(キベン)に命を懸けるキベンジャーズや、高圧的な俯瞰(フカン)に満足気なフカンジャーズたちの努力の甲斐もあって、そこかしこの論点たちは、すっかり掏(ス)り替えられてしまいそうな勢いである。どころか、元々の、肝心要の捨て置けない問題点そのものは触れられることなく、そのような、悩ましいコトが二度と表沙汰にならないように、と、その根元あたりに不認可の除草剤をブチュブチュッと注入しては根絶やしにする、という、この、ダークヒーローたちの仁義なき戦略は、お見事としか言いようがない、と、皮肉まみれに熱く語るAくん。

 もちろん、全くもって、誉め言葉ではないだろう。

 この、論点すり替えの怪、アタマが悪いから論点がズレてしまうのか、はたまた、アタマがイヤらしいほど良すぎて、論点が、スルリとスルリと掏り替えられてしまうのか、は、残念ながら私にはわからないけれど、どちらにせよ、少なくとも、この国に、この星に、対して、大いなる責任があるシモジモじゃないエライ人たちには、その、どちらにも属さないでいてもらいたい、と、心の底から願う。

 するとAくん、「キベンジャーズやフカンジャーズといったダークヒーローたちとはまた別の、悪しき姑息な妖怪が、いたりするのかもよ」、と、ナニやら意味深で不気味な言葉を残して、グビリと酒を呑む。(つづく)