ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.461

はしご酒(4軒目) その百と百と弐

「トンデモナイコトガ⑷ 」②

 「その大いなる説明責任、そう易々と果たせるとは思えないし、ひょっとしたら、ハナから果たそうと、してもくれないかもしれない」、などと、目一杯ネガティブに、私が話しているその隙間に、分け入るようにAくんは、いつもより消費税分ほど大きめの声で、「木、どころか、土だって、全部、入れ替えないといけない場合だってあるわけだから、いかなる理由があったとしても、その、大いなる説明責任を果たさなくていい、なんてことは、絶対にあり得ない」、と。

 グググググッと、スウェーデンの消費税分ぐらいはボリュームアップしたAくんの声の、温度も上がる。

 「私のイメージは、たとえば、防風林。たくましく根を張り、粘り強く腰があり、厳しい潮風にも強い。そんなパワーを内に秘め、その、託された使命を、シッカリとわきまえた、そんな防風林、の、その、魂みたいなトコロに、土足で踏み込んで、多少、防風林としての機能は落ちるものの、高値で取り引きされる果物が実る木に植え替えよう、一石二鳥、コレで経済的にも潤うぞ、という、そんな感じなのですが、どうですか?」

 「いい例え、だな~。まさに、そういうこと。しかも、これだけ台風が、年々パワーアップしてきている、というのに、過去のデータを持ち出して、大丈夫、まだまだ余裕がある、などと、胸を張ったりするものだから、タチが悪い」

 Aくんが言う通り、たしかに、そうしたデータのほとんどは、オキテ破りのゴリ押しの、便利なツールと、化してしまっているような気がする。

 「僕はね、大いなる説明責任を果たす、とは、考えられるそのリスクの全てを、包み隠さず、スペッシャルなほど丁寧に、時間をかけて説明し続ける、という、その、姿勢そのものだと、思っている。

 ますます、大いなる説明責任を果たす、などということは、おそらく、到底、できそうにないだろうな、という、そんな思いが、ちょっとした絶望感とともに、ズンズンと膨らんでいく。(つづく)