ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.534

はしご酒(4軒目) その七十五

「ヨウカイ オモイノママン」

 Aくん命名の妖怪シリーズの中で、このところ、ニジリニジリと勢力を拡大しつつあるのが、知らないうちに、力あるものの御意向に寄り添いつつ、天才的に世論を、思いのままに誘導する、かの如くの、妖怪「オモイノママン」なのである。

 この、危険な臭い漂う世論誘導妖怪。数多(アマタ)のプレミアムな強豪ひしめくアホがアホ呼ぶアホアホワールドの中でも、その、理不尽な御都合主義と無節操な柔軟性において、スペッシャルに定評がある強者(ツワモノ)なのだ。

 「でもね、いわゆる、マスメディア系のピーポーには、そう易々と、この妖怪に魂を売ってほしくない」、とAくん。

 たとえば、先人たちが、多くの犠牲を払いながら、戦争という得体の知れないものの中から学んだ、その貴重な財産、を、たしかに、なんとなく、どうしても、軽んじる傾向にあるように見えてしまう、そんな今日この頃の中での、頼みの綱であるマスメディア、であるにもかかわらず、そのマスメディアのホン近くまで、ヒタヒタと、妖怪「オモイノママン」が忍び寄りつつあるように思えてならない、というAくんの指摘に対して、それは考えすぎでしょう、と、言い切る自信は、残念ながら、私にはない。

 そんな具合に、微妙に歪み始めたこの時代の、その屈折した環境が、よほど住み心地がいいのだろう。妖怪「オモイノママン」は、このところ、やたらと機嫌がいいのである。(つづく)

 

 

 

 

 

追記

 「共感」。

 ホントにステキな言葉だと思う。

 学校教育においても、一際(ヒトキワ)光り輝く。