ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.460

はしご酒(4軒目) その百と百と壱

「トンデモナイコトガ⑷ 」①

 予想だにしなかったトンでもないことに見舞われると、よほどストロングな、問題意識を、価値観を、そして、志(ココロザシ)を、シッカリともっていない限り、ものの考え方やら生き方やら在り方やら、などといったものは、見事なまでにブレまくる、というのが世の常だ、とAくん。

 とくに、目先のことに拘(コダワ)らざるを得ない宿命を背負った職種の方々は、コトあるごとにシッカリとブレまくってくれる、と嘆く。

 「その最たるものが、任期中に、短期間に、それなりの結果を出すことを要求される、シモジモじゃないエライ政治関係者たちだな。あの人たちは、フレキシブル、という言葉と、ブレる、という言葉とを、実に都合よく混同させることに、素晴らしく長(タ)けているんだよな~」

 「たしかに、その二つ、似ている気も、しなくはないですね」

 「僕はね、フレキシブル、は、枝葉だと思う。ブレる、は、幹。枝葉は、必要に応じて、臨機応変に、その姿かたちを変えていくこともアリだとは思うけれど、幹は、決してブレてはいけない」

 またまたヤヤこしくなってきた。

 「けれど、場合によっては、その幹さえも、見直さなければならない、ってことも、あるんじゃないですか」、と、ヤヤこしいと思いつつも、ほんの少し、反旗を翻してみる。

 「ん~、・・・、あるとは思う。あるとは思うけれど、その木そのものを、根っこから引き抜いて、違う木に植え替えるのだから、当然のごとく、大いなる説明責任を果たさなければならない」、と、キリリと語るAくん。

 説明責任を果たす、か~。多くの政治関係者たちの、その場しのぎの口癖の一つ、ということもあって、一般ピーポーの、期待度は、残念ながら極めて低い。(つづく)