ガッコ ノ センセ ノ オトモダチ vol.225

はしご酒(3軒目) その五十四

「キソウ テンガイ コドク」②

 すると。

 突然、乱入する、Zさん。

 テ、テレパシーか!?

 それとも。

 知らないうちに声に出してしまっていたのか!?

 私の心の内を、心の声を、いとも簡単に覗き見されたような、盗み聞きされてしまったような、そんな気がして、心底、驚いてしまう。

 「奇想天外も結構ですけど、そのベースのところに愛がないと、わけがわからないことになってしまうんじゃ、ない?」

 あ~、いつもの、あの、前頭葉の老化系の突っ込みではなかったんだ。

 Zさんの乱入内容にホッとしつつ、慌てて気持ちを切り替える、私。

 「愛、ですか」

 「そう、愛。愛あってこその奇想天外でしょ」

 そう念を押す、Zさん。

 おっしゃる通り、Zさんの指摘は見事なまでに的を得ている。魔物に取り憑かれた奇想天外ほど厄介なモノはないからだ。

 すると。

 「それはそうだな」

 Z’さんまで意外なほどアッサリと納得の様子。

 ん~、・・・愛あってこその、奇想天外、か~。

 おそらく、この「奇想天外」に限らず、どんなコトにおいても、その根底に「愛」がなければ、たいていの場合、ナンともカンともな結末が待っているだけのような気がする。

 愛ある奇想天外。

 愛ある奇想天外、か~。

 たしかに、メチャメチャ、いい響きだ。(つづく)